(六枚落ち編)飛、角と桂香各二枚落ち

       (掲載、平成29年11月21日・火

   

(下手)Hさん(30代男性) 

(上手)五段 門屋 良和

 

宇都宮将棋センター・個人レッスンより(持時間無)

対局日 2017(平成29)10月31日(火)

 

 

 

  

最初の並べ方からの指し手(読み方、横へ読んでいく)

 

     △4二玉  7六歩  7二金  6六角 8二銀  9六歩  △6四歩

5六歩 8四歩         (1図)

   ▲6六角は9三の地点をにらみ、△8二銀に▲9六歩と突いて端攻めを狙う。

 △8四歩(1図)で角道を止めた。

 Hさん次の一手は。

 

 

 

 

1図からの指し手 

8四同角 5二金 9五歩6三金左 5七角  2二銀 9四歩同 歩  同 香  5四歩 9二香成 

                 (2図)

 

 1図から▲8四同角と歩を取って、一歩得となる。歩を取らなければ△8三金で、上手側の9筋が厚くなり、下手は攻めにくくなる。

 

 ▲9五歩で端歩を伸ばし、△6三金左に▲5七角と引いて△2二銀に▲9四歩と順調に攻めていくHさん。

 

 なお、▲5七角と引かず▲9四歩と攻めるのは△同歩▲同香△8三金▲5七角△9四金

(A図)香を取られていけない。

 そのための、▲5七角である。

 

 Hさんは▲9二香成と銀取りに当てる。

△5五歩は(2図)は、チョッとしたワナを

仕掛けた。

 

 

 

2図からの指し手

     △5五歩 同 歩 5六歩  

4六角 4四歩 8二成香同 金  9八飛 5七歩成9一飛成7二金  6一竜 6二金引      (3図)

  2図から△5五歩と突く。

 

 Hさんは素直に▲同歩と応じる。

 

 ここで注意すべきことは、5六に空間ができたことにより、▲8二成香と銀と交換したとき、相手に香を渡すので△5六香

(B図)田楽刺しが生じる。

(準)王手角取りになるから、角を取られる。

 

 チョッとしたワナとはそういうことで、それに気が付いていれば問題は起こらない。

 

 

 本譜、△5六歩▲4六角△4四歩に、▲8二成香で銀と交換した。

 

 ここでは、あえて銀を取らずに先に▲9八飛(C図)とし、△8三銀なら▲8一成香から▲9一飛成の攻めを見せるのもある。

 

 相手は、持ち駒に歩がないから▲8一成香の

とき、△9四歩と打つ歩がない。

 

 これも戦い方の一つで、あえて駒を取らないで攻める手法もある。

 

 

 本譜は先に銀を取ってから▲9八飛としたので、△5七歩成が生じた。▲同角なら例の△5六香の田楽刺しである。

 

 と金を取れないとなれば、Hさんの玉頭に

大きなプレッシャーがのしかかることとなった。

 

 とはいえ、本譜▲9一飛成の金取りから

△7二金に▲6一竜と迫り、△6二金引となって3図、次の一手をどうすべきか。

 

 

 

3図からの指し手

 2一竜  4七と     (4図)

 

 

 

 

 3図はチャンスを迎えている。

 

 ここで、▲5一銀(D図)と両取りに打つ手があった。

 △4三玉と△3二玉は、▲6二銀成△同金

▲同竜で金二枚が取れる。

 

 また、△5三玉は▲6二銀不成△同金

▲5四金E図)二玉▲6二竜で寄りだった。

 

 Hさん惜しまれる。

 

 

 本譜、▲2一竜△4七と(4図)と進行した。

 

 

4図からの指し手

▲3二銀 5二玉 2二竜  4六と  5四銀 6一玉        (5図)

 

 

 4図から▲3二銀と打った、次に▲4一竜

△5三玉▲4三竜(F図)の3手詰みをみせている。

 

 

 

 本譜、△5二玉と早逃げをし、▲2二竜と銀を取ったが、△4六とと角を取られて難しくなった。

 

 4図に戻って、▲2二竜と銀を取る手が有力

だった。△3二香と守らせて、▲1三角成

(G図)で良かった。

 

 

 

 ▲5四銀は上部に逃げられないように抑え、

△6一玉(5図)と進行。

 

 

5図からの指し手

9二歩 7一玉 9一歩成8二玉  3一竜 8三玉 9五歩 5六歩  7五歩 5七歩成7七桂 9九角  7八銀 7七角成     (投了図) 

 

       まで、55手で門屋五段の勝ち

 △6一玉(5図)に、▲9二歩と打ってと金づくりを目指す。しかしながら、△7一玉~

△8三玉で相手の玉を捕まえるのは困難となった。

 △8三玉のときに▲8一竜と王手をしても、

△8二金で弾かれてしまう。

 

 5図からは勝負手として、▲4三銀引成

△7一玉▲5三成銀(H図)と迫るところであった。

 

 ▲4三銀引成に△5二歩の守りなら、

▲3一竜△5一香▲4二成銀(I図)と迫る。

 

※△5二歩のところ、△5一香も▲3一竜から

 ▲4二成銀で勝負。

 

 

 投了図は▲7七同銀に△4七桂までの詰み。

 

 Hさんは大変惜しい場面がいくつかありましたが、本局を機会に益々励んでいただきたいと思います。対局、お疲れ様でした。

 

 最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

                 (門屋)